新興国株式(中国・インド・インドネシア・台湾・韓国・マレーシア・ブラジル・メキシコ)のETFと投資信託を、米国市場と東京市場でコスト比較
新興国株式に投資するインデックス型投資信託(ETF)のコスト
日本の証券会社(ネット証券会社)で購入できる投資信託にもインデックス型で中間コストを抑えたものが出てきた。また、上場投資信託(ETF)も大阪証券取引所や東京証券取引所で買うことができるようになった。
まずは、これらを買う場合のコスト(販売手数料、取引手数料、信託報酬)を調べておく。
新興国株式へのインデックス型投資信託・ETFの中間コスト比較まとめ
インデックス投信なので、基本的に運用パフォーマンスの善し悪しは考慮しない。中間コストが選択の一番のポイント。もちろん、運用の上手、下手でインデックスより悪くなる場合もあるのでそこは別途注意が必要。
まとめの表(新興国株式全体に投資)
年間コスト (信託報酬) | 買うコスト (取引手数料/ 販売手数料) | 売るコスト (取引手数料/ 信託財産留保額) | 市場/買う場所 | 特記事項 | |
ETF(1681)上場インデックスファンド海外新興国株式 | 0.2625% (税抜0.25%) | ネット証券(0.1%〜) | ネット証券(0.1%〜) | 東京市場・大阪市場 | 唯一のETF 問題は取引量が少なく、ほぼ常に純資産評価額よりも市場での取引価格が高い。つまり、割り高な買い物をすることになる。 |
三菱UFJ−eMAXIS新興国株式インデックス | 0.60%(税込 0.63%) | ノーロード(0円) | 0.3% | 国内証券会社・銀行 | SBI証券で買える |
STAM 新興国株式インデックス・オープン | 0.65%(税込0.6825%) | ノーロード(0円) | 0.3% | 国内証券会社・銀行 | 僅差だがeMAXISに負ける |
VWO バンガード・エマージング マーケット ETF | 0.27% | 手数料(税込)26.25米ドル(1,000株まで) +為替取引(片道25銭/1米ドル=約0.27%) | 手数料(税込)26.25米ドル(1,000株まで) +為替取引(片道25銭/1米ドル=約0.27%) | 米国市場(ネット証券経由) | 海外ETFを日本から購入する場合、一番低コストな商品。 |
EEM iシェアーズ MSCI エマージング マーケッツ インデックス ファンド | 0.75% | 手数料(税込)26.25米ドル(1,000株まで) +為替取引(片道25銭/1米ドル=約0.27%) | 手数料(税込)26.25米ドル(1,000株まで) +為替取引(片道25銭/1米ドル=約0.27%) | 米国市場(ネット証券経由) | 論外 |
Lyxor ETF MSCI エマージング マーケット | 0.65% | 0.4095%(税込)・最低手数料31.5香港ドル +為替取引手数料 | 0.4095%(税込)・最低手数料31.5香港ドル +為替取引手数料 | 香港市場(ネット証券経由) | 論外 |
上場インデックスファンド海外新興国株式(1681)がコストの観点から頭一つ出ている。が、取引価格が常に純資産評価額を上回っており買う気にならない。
海外ETFで唯一選択肢に入るのがVWO。だが、為替取引コストが少なくとも片道分(約0.27%)必要なこと、取引手数料が最低でも26.25ドルなので、国内市場と同レベルの0.1%で取引するには、一度に26250ドル相当(26250×90=2362500円)の額で取引する必要があるので、一般人にはちょっと高額か。
今のところ、eMAXIS新興国株式インデックスが良いだろう。上場インデックスファンド海外新興国株式(1681)が妥当な価格で取引されるようになったらそっちに移行、というところで、新興国全体に投資するなら海外ETFで買うメリットはあまりないようだ。
STAM 新興国株式インデックス・オープン だが、最近信託報酬を下げた。eMAXISに完全に顧客を取られているからだろう。だが、いまだに一割程度も割高なので、新規に購入するならeMAXISになるだろう。何のために信託報酬を値下げしたのか意味が分からない。
個別の新興国市場に投資する場合、インデックス型で中間コストを抑えたいならETFが選択肢になる。国内の市場(東京市場や大阪市場)で取引されるETFは、海外のETFにくらべて幾分信託報酬が高い(国内では1%程度にくらべ、海外では0.6%〜0.85%)。銀行や証券会社で買う投資信託は選択肢にはなりえない。候補になるETFを以下に並べる。
東京市場や大阪市場のETF(新興国株式)
- 1681 東証
- 1309 大証
- 1322 東証
- 上場インデックスファンド中国A株(パンダ)CSI300
- 基準価格(資産評価額)と取引所価格(取引所での現在価格)
- 信託報酬 年率0.9975%(税抜0.95%)程度
- 信託財産留保額 なし
- 1678 東証
- NEXT FUNDS インド株式指数・S&P CNX Nifty連動型上場投信
- 基準価格(資産評価額)と取引所価格(取引所での現在価格)
- 信託報酬 年0.9975%(税抜年0.95%)以内
- 信託財産留保額 基準価額に0.5%の率を乗じて得た額
- 1325 東証
- NEXT FUNDS ブラジル株式指数・ボベスパ連動型上場投信
- 基準価格(資産評価額)と取引所価格(取引所での現在価格)
- 信託報酬 年0.9975%(税抜年0.95%)以内
- 信託財産留保額 なし
- 1313 東証
- 1323 大証
- 1324 大証
- NEXT FUNDS ロシア株式指数・RTS連動型上場投信
- 基準価格(資産評価額)と取引所価格(取引所での現在価格)
- 信託報酬 年0.9975%(税抜年0.95%)以内
- 信託財産留保額 なし
ネット証券で販売されている従来の投資信託(新興国株式)
新興国株式への投資信託は数多くあるが、中間コストとしての信託報酬が1%を超えるものは選択から除外する。特に特定の国(中国、インド、ブラジル)に限定した投資信託は全て中間コストが大きい(信託報酬が1.5%〜3%)ため除外。
- 三菱UFJ−eMAXIS新興国株式インデックス
- STAM 新興国株式インデックス・オープン
- MSCI Emerging Markets インデックス
- 買付手数料 (税込) ノーロード(0円)
- 信託報酬 (税込)/年 0.65%(税込0.6825%)
- 信託財産留保額 0.3%
- 日興‐年金積立インデックスファンド海外新興国株式
- MSCIエマージング・マーケット・インデックス(円ヘッジなし・円ベース)
- 信託報酬 (税込)/年 純資産総額の0.8295%
- 信託財産留保額 0.3%
米国(ニューヨーク証券取引所)のETF
- VWO
- バンガード・エマージング マーケット ETF
- MSCI Emerging Markets インデックス
- 信託報酬 0.27%
- EEM
- iシェアーズ MSCI エマージング マーケット インデックス ファンド
- MSCI エマージング・マーケット・インデックスに連動。アルゼンチン、ブラジル、チリを始めとする計26ヶ国
- 信託報酬 0.75%
- EPP
- iシェアーズ MSCI パシフィック(除く日本) インデックス ファンド
- MSCIパシフィック・フリー・イーエックスジャパン・インデックスに連動。主にオーストラリア、香港、ニュージーランドおよびシンガポールの4つの国の株式
- 信託報酬 0.50%
- EWM
- iシェアーズ MSCI マレーシア インデックス ファンド
- MSCI マレーシア・インデックスによって測定されるマレーシアの市場
- 信託報酬 0.59%
- EWT
- iシェアーズ MSCI 台湾 インデックス ファンド
- MSCI 台湾・インデックスに連動。主に台湾証券取引所
- 信託報酬 0.70%
- EWW
- iシェアーズ MSCI メキシコ インデックス ファンド
- MSCIメキシコ・インベスタブル・マーケット・インデックスによって測定されるメキシコの市場
- 信託報酬 0.59%
- EWY
- iシェアーズ MSCI 大韓民国 インデックス ファンド
- MSCI・韓国・インデックスに連動。主に韓国証券取引所
- 信託報酬 0.70%
- EWZ
- iシェアーズ MSCI ブラジル インデックス ファンド
- MSCIブラジル・インデックスに連動。主にサンパウロ証券取引所
- 信託報酬 0.70%
- EZA
- iシェアーズ MSCI 南アフリカ インデックス ファンド
- MSCI・南アフリカ・インデックスに連動。主に、ヨハネスブルグ証券取引所
- 信託報酬 0.70%
- FXI
- iシェアーズ FTSE/新華チャイナ25 インデックス ファンド
- 香港市場の時価総額と流動性の面で上位25の中国企業
- 信託報酬 0.74%
香港証券取引所のETF
- 02802
- 02815
- 03043
- 02800
- トラッカー ファンド オブ ホンコン
- 香港ハンセン指数に連動。ハンセン指数は香港市場を代表する40銘柄で構成
- 信託報酬 0.025〜0.050%
- 02810
- 02820